こんにちは、カイです。
突然ですが、皆さん「STRONGER BY SCIENCE」という海外サイトをご存知でしょうか。
科学的なエビデンスを踏まえた信頼性の高い情報を発信しているトレーニング情報サイトで、特にリフター向けの記事が多く投稿されています。(運営者は世界トップクラスパワーリフター:グレッグ・ナコルズ)
その中に「BIG3の教科書」とも言える「THE DEFINITIVE GUIDE」というシリーズがあるのですが、全て英語で書かれているため、原文を読むのは正直めちゃくちゃ大変です。
(僕自身も存在は知りつつも、読み始めるのが億劫でずっと放置していました・・・)
今回なんと、その「THE DEFINITIVE GUIDE」を日本語で読める記事*1を見つけたので、紹介したいと思います。
*1 確認はしていませんが、冒頭で「Stronger by scienceの許可を得て日本語訳したと書かれているので、恐らく著作権的にも問題のない記事だと思います。
ブックマーク推奨!「THE DEFINITIVE GUIDE」の日本語版記事3つ
それでは早速記事を紹介していきます。
「THE DEFINITIVE GUIDE」はスクワット編、ベンチプレス編、デッドリフト編の計3記事あり、以下がその日本語版のリンクです。
スクワット編:
How to Squat: The Definitive Guide
ベンチプレス編:
How to Bench: The Definitive Guide
著者は世界トップクラスのドラッグフリーパワーリフターで、ストレングスコーチとして活動するグレッグ・ナコルズです。
初心者の方にはかなり難しく感じる内容も多いかと思いますが、とりあえず教科書としてブックマークしておくことをオススメします。
簡単な内容紹介
それぞれの記事の内容を簡単に紹介しておきます。
どの記事も解剖学やらバイオメカニクスやらの話から始まるので、初心者の方や手っ取り早く実用的な内容が知りたい方は、「セットアップ」の項あたりから読み始めると良いと思います。
スクワット編の主な内容まとめ
スクワット編の主な内容はこんな感じです。
基礎的な物理学
解剖学
バイオメカニクス
スクワット: セットアップ
- バーの位置
- 手の位置
- 手首の位置
- 肘の位置
- 後退
- 足幅
- 足の角度
- ブレーシング
- 全身の緊張を作る
- セットアップのチェックリスト
スクワットのやり方: 下降局面
- 下降局面でのキュー
- 下降の速度
- 深さ
スクワットのやり方: 上昇局面
- 始動
- スティッキングポイント
弱点の診断
- 大腿四頭筋
- 体幹
- 腰
スクワットのよくある疑問や問題点
- スクワットは安全か?
- バットウィンクが起きる。
- 可動域の制限で深くしゃがめない。
- 人によりスクワットのフォームが大きく異なるのはなぜか?
- 誰でもATGスクワットをできるか?
- バーは垂直に上下すべきか?
- ワイドスタンススクワットはより容易か?
- 視線をどこに定めるべきか?
- 肘が痛い。
- 大腿四頭筋を鍛えたい場合にスクワットをすべきか?
- スクワットだけで足の成長を最大化できるか?
- 膝や腰が痛い。
- 膝が内側に入るのは問題か? どうやって修正すればいいか?
- バーが肩に当たって痛い。
- バーが前方に移動し、バランスを失う。
- 足首が固い。
- バランスが左右片側に偏る。
- パラレルより深くしゃがまなければならないか?
- 膝が爪先よりも前方に出ても良いか?
- スクワットで他のスポーツのパフォーマンスが向上するか?
- ハイバースクワット、ローバースクワット、フロントスクワットのどれをすべきか?
スクワットに使われる各筋肉の働きから、バイオメカニクス、実際の動作にいたるまで詳しく解説してくれています。
個人的に面白かったのは、「ハムストリングスと大腿直筋の役割」に関する項目ですね。
簡単に言うと、「スクワットで膝を伸ばす動作と、上体を起こす動作は互い連動している」ということです。
これだけ読んでも何のことか分かりませんよね?
気になる方は是非記事を読んでみて下さい(笑)
あとは弱点の分析と克服方法も非常に参考になりました。
僕自身グッドモーニングスクワットにずっと悩まされてきましたが、良いヒントが得られたのでこれから克服に取り組みます。
ベンチプレス編の主な内容まとめ
ベンチプレス編の主な内容はこんな感じです。
解剖学
ベンチプレスで作用する力
セットアップ
- 機材のチェック
- 肩甲骨の位置
- タイトにしアーチをつくる
- 足の位置
- アンラック
- バーを下げる
- 一時停止
- バーを上げる
バイオメカニクス
- 肩の水平屈曲
- 肩の屈曲
- 肘の伸展
弱点の分析
- ボトムが弱点
- 動作中間が弱点
- ロックアウトが弱点
よくある質問
- ベンチプレスのキュー
- リバースグリップベンチプレスはどうか?
- インクライン、デクラインをやるべきか?
- ベンチプレスだけで、胸筋と三頭筋の発達を最大化できるか?
- ボトムで肘や肩に痛みがあるのをどうすればよいか?
- 手幅をどのように決めるか? それぞれの長所、短所は?
- 手首に痛みがあるのをどうすればよいか?
- 背中のアーチをどのように改善するか?
- 背中/腰がつりそうになるがどうすればよいか?
- 尻がベンチから浮くのをどうすれば防げるか?
- レッグドライブをどのように改善するか?
- 肘をどのくらいたたむべきか?
- 動作の不均衡をどうすべきか?
- ベンチプレスのバリエーションはあるか?
ベンチプレスの動作を力学的・解剖学的観点から理解しておきたい人にとっては、唯一無二のバイブルになると思います。
ただし、動作解説については日本での常識と異なる点(手首の背屈の程度や、バーの軌道など)もあるため、情報の取捨選択が必要かも知れません。
特に参考になったのが、「ボトムで肘や肩に痛みがあるのをどうすればよいか?」という項目で、非常に具体的な解決策が複数提示されていました。
また、上腕三頭筋の働きに関する解説も興味深かったです。
デッドリフト編の主な内容まとめ
デッドリフト編の主な内容はこんな感じです。
デッドリフトのバイオメカニクス
セットアップの基本
- 足幅の見つけ方
- バーの握り方
- 呼吸
- 典型的なセットアップ6パターン
バーの位置、バランスの取り方
広背筋の重要性
すねの角度
バーの挙上方法
弱点の分析と補強方法
- コンベンショナルデッドリフトの場合
- 床から引き上げられずに失敗する場合
- ロックアウトで失敗する場合
- スモウデッドリフトの場合
- 挙上途中で失敗する場合
- ロックアウトで失敗する場合
よくある疑問
- スモウ、コンベンショナルどちらのスタイルをすべきか
- チョークやベビーパウダーを使うのはなぜか
- すねが完全に垂直な状態で、挙上を開始しなければならないか
- すり上げ
- 複数レップのセットの場合、レップ間でフォームをリセットすべきか、タッチアンドゴーですべきか
- 広背筋の役割
- 頭の位置
- デッドリフトで必要な握力強化
トレーニングのトラブルシューティング
- プロポーションの違いによる、尻の高さやテクニックの違い
- 脊椎屈曲と股関節伸展の条件
- 脊椎屈曲にどれくらいのリスクがあるか
- 可動性や脊椎屈曲の問題をどのように解消するか
- 初めてやる場合、床引きデッドリフトをする必要があるか
- いつベルトを使うべきか
- デッドリフト用のバー
- バーがすねに擦れて痛い
- デッドリフトのバリエーションと効果
- いつ、どうやってストラップを使うべきか
- トラップバーでデッドリフトをやってよいか
動作のやり方、体型によるフォームの違い、弱点分析、補助種目に至るまで、デッドリフト必要なものは全部詰まっていると言える内容でした。
特に広背筋の役割に関する項目と、脊椎屈曲(背中の丸まり)に関する項目は読んで損なしです。
弱点分析の項目もめちゃくちゃ参考になるので絶対読みましょう。
まとめ
STRONGER BY SCIENCEの「THE DEFINITIVE GUIDE」の日本語版記事の紹介でした。
「BIG3の教科書」といっても過言ではないレベルの内容ですので、リフターだけでなく、トレーニングにBIG3を取り入れている方は是非一読しておくことをオススメします。
専門用語がそれなりに使われていますし、分量も多いので、とりあえずざっくり目を通して気になった項目だけ読むというのでも全然良いと思います。
それでは今回はこの辺で!