こんにちは、カイです。
パワーリフティング大会当日の流れについて徹底解説していきます!
この記事を読めば、初めて大会に出場する方もきっと不安なく当日を迎えられるはずです。
目次
できれば検量時間の30分前には会場入りする

パワーリフティング大会当日は、必ず検量時間までに会場入りして下さい。
検量時間は協会HPに掲載される「要項」や「エントリー」に記載されています。(通常試技開始の2時間前です)
もし検量に遅れると、順番をそのセッションの一番最後に回されてしまうので、その分リカバリーの時間が取れなくなってしまいます。
また、検量までに「ラックの高さ合わせ」と「コスチュームチェック」を済ませておきたいので、出来れば検量30分前には会場に着くようにしましょう。
ラック・セーフティーの高さを合わせる

検量までに済ませておかなければならないのが、ラックとセーフティーの高さを合わせることです。
スクワットとベンチプレスで使用するラックとセーフティーの高さは、検量のタイミングで役員に申告するルールとなっています。
- スクワット:ラック9段、セーフティー3段
- ベンチプレス:ラック7段、セーフティー3段
したがって、自分の使うラックの高さが分からない人は、会場入りしてから検量までの間に高さを確認しておかなければなりません。
ラックは試技スペースに置いてあるものを係員に確認した上で使わせてもらうか、アップ上に同じラックがあればそちらを使います。
初心者の方でラックの高さの合わせ方が分からない場合は、ラックの高さ合わせをしているグループに混ぜてもらうか、周囲のベテランっぽい人に公式ラックの使い方を聞きましょう。
ちなみに、同じ公式ラックでも、メーカーによってそれぞれラックの高さが違うので注意して下さい。
最近だとELEIKOとBULLのラックが使われることがほとんどですので、この2つのメーカーに関しては高さを把握しておくと、今後大会に出るときに楽です。
もし検量までにラック合わせができなかったとしても、試技が始まるまでに正しいラックの高さを申請し直せばルール上は問題ありません。
とは言え、役員の方の仕事を無駄に増やさぬよう、できればこのタイミングで合わせておきましょう。
コスチュームチェックを受ける

もう一つ、できれば検量前に済ませておきたいのがコスチュームチェックです。
下着以外の試合で使う道具を役員がチェックしていき、チェックを通ったものに関しては下の写真のようにチェック済みのハンコが押されます。

コスチュームチェックをクリアしたもの以外は試技で使用できません。
したがって、試技で使用する予定の物に関しては必ず全てチェックを受けて下さい。
チェックされる物は以下です。
- Tシャツ(※滑り止めのあるものはNG)
- シングレット
- 靴下(※ロングソックスは必須)
- リストラップ
- ベルト
- ニースリーブ
- 靴
全部まとめて一つの袋やカバンに詰めておくとスムーズにチェックが進みます。
したがって、このときはTシャツや靴下は試技で使うのとは別の物を着用しておきましょう。
コスチュームチェックは階級に関わらず並んだ順番で進んでいくので、できるだけ早めに済ませておくことをオススメします。
検量&受付(試技開始の2時間前)
検量は試技開始の2時間前!ロットナンバー順に進む
検量は試技開始の2時間前に始まります。
エントリー表に記載の「ロットナンバー」が若い順から進んでいくので、時間になったらとりあえず検量室の前に行って検量の進み具合を確認しましょう。(係の人はわざわざ会場まで呼びにきてくれません)

自分の番になってもその場にいなかった場合、そのセッションで一番後ろの順番に回されてしまうので、くれぐれも遅れないように気を付けて下さい。
ちなみに検量に失敗した場合、競技開始時刻の30分前までは再検量を受けることができます。
時間内に検量を合格できなかった場合は失格となりますので、何としてでも検量を通過しましょう。(地方大会なら基本的に一つ上の階級のオープン参加で出場はできます)
検量は10g単位で計量されるので、例えば74kg級なら66.01kg~74.00kgに収まっていないといけません。
大会直前の減量については以前別の記事で紹介しているので、是非参考にして下さい。


ラック高さ、セーフティー高さ、第1試技重量を申告
検量を通過したら、検量室にいる役員の人に次の3つの事項を申告します。
- ラック高さ・セーフティー高さ(スクワットおよびベンチプレス)
- ベンチプレスのラックアップ補助の要否
- 第1試技重量(3種目全て)
ラック高さとセーフティー高さは先ほど紹介した通り、事前に把握していない場合は会場に着いてから検量までの間に確認しておきましょう。
ベンチプレスのラックアップ補助を頼むこともできますが、ほとんどの人は普段から自分でラックアップしているでしょうし必要ないと思います。
もし頼みたい場合はこのタイミングで申告します。
第1試技重量に関しては、それまでの練習での調子と当日の体調などを加味して決めましょう。
一般的には「第1試技は練習で3レップ確実に上がる重量が目安」などと言われたりしますが、大会初参加の場合はそれよりさらに低めの重量で申請した方が良いと思います。
合図だったりしゃがみの判定だったり、初参加のときはとにかく初めてのことばかりだと思うので、「第一試技は最終アップ」ぐらいの気持ちで軽めの重量を申請しておくのが無難です。
まあアップの調子を見てから申請重量を下げることも出来るので、この時点ではそこまで神経質になる必要はありません。
各種目共、スタート重量は1回だけ申請重量の変更が認められています。
ただし、第1グループの人は競技開始の3分前までに、第2グループ以降の人は前のグループの第3ラウンド残り3試技までに申し出る必要があります。
試技カードを貰うので、早めに記入しましょう

ほとんどの大会では検量室を出る前に「試技カード」と呼ばれる11枚綴りの用紙を渡されます。(口頭で重量申請を行う大会では配られません)
これは第2試技の重量申請や、第1試技の重量変更に使う大事な紙です。
競技が始まったら、自分の試技が終わってから1分以内に次の申請重量を記入して、この紙を役員に渡さないといけません。
もちろん「名前、性別、階級、ロットナンバー、サイン」も全て埋めた上で提出しないと認められません。
1分以内に全てを埋めるのは実際のところ相当厳しいので、申請重量だけ空欄にして他は全て事前に記入しておきましょう。
検量が終わったらリカバリーを進めつつ、合間を見て記入を進めて下さい。
ボールペンは必ず持参しておきましょう。

リカバリーを速やかに行う

検量が終わったら、まず行うべきはリカバリーです。(試技カードの記入も忘れずに)
検量から試合までは2時間弱の空き時間があるので、その間に十分な水分と栄養を補給します。
特に水抜きを行っていた場合は身体が脱水状態になっているので、すぐにスポーツドリンク等の塩分を含んだドリンクで水分補給を行う必要があります。
固形物を食べる場合は、おにぎりやパスタ、バナナなど消化の良い炭水化物をメインに摂りましょう。
- 水分補給(スポーツドリンク、経口補水液など)
- 栄養補給(おにぎりやパスタ、バナナなど消化の良い炭水化物)
もし準備する余裕があるなら、自作のリカバリードリンクを作るのも良いと思います。
僕自身は「リカバリードリンク→固形物」の順で摂取しています。
参考までに書いておくと、先日の大阪パワーでは以下の物を摂りました。
- CCD、BCAA、クレアチンなどを混ぜた自作リカバリードリンク
- おにぎり2個、卵1個
胃腸が強い方ではないので、試合前は食べ過ぎないように固形物は少な目にして、その分ドリンク類から糖質を摂るようにしています。
ご参考までに。
着替え

着替えに関しては、更衣室が用意されているはずなので、検量が終わってからウォーミングアップを始めるまでの間に済ませておきましょう。
シングレットの肩紐は上げていると疲れてしまうとの理由で、アップが始まるまでは外している人が多いです。
ウォーミングアップ

リカバリー、着替え、試技カードの記入が済んだら、ウォーミングアップを開始しましょう。
身体全体のウォーミングアップについては、普段通りのことを行ってください。
問題は3種のアップですね。
会場には必ずアップ場が設けてあるので、3種のアップはそこで行うことになります。

少ない数のラック(通常2台ほど)を多数の出場者で回すので、譲り合いながらアップを進めていきます。
プレートの付け替えも基本的に自分たちで行いますが、もし手伝ってくれる方がいる場合はキチンと感謝を伝えましょう。
3種のアップを始めるタイミングについては、自分の出番の15分前頃からアップを始める人が多いとは思いますが、これに関しては本当に人それぞれです。
初出場でタイミングが分からなくて不安な方は、とりあえずアップ場の様子を小まめにチェックしておいて、自分と同グループの選手達がアップを始めたのを確認してからそこに混ざっていくのが無難だと思います。
最終アップの重量は、第1試技重量の9割ぐらいが目安です。
アップの途中で開会式が入ってきたり、ウォーミングアップで使えるラックの数が参加人数の少なかったりと、大会当日は意外と時間が足りなくなります。
なので、初めて大会に参加するときは気持ち早めにウォーミングアップを始めておくと良いかも知れません。
試技開始
開始予定時刻になったら試技が始まります。
まずは試技全体の流れについて確認しておきましょう。
今回は1セッションが「Aグループ、Bグループ、Cグループの3グループ」の例を見ていきます。
試技全体の流れ(3グループ回しの例)
種目の順番としては、「スクワット→ベンチプレス→デッドリフト」の順番で進んでいき、各種目につき3回試技を行うことが出来ます。
これが3グループ回しの場合は次のような流れになります。
- Aグループのスクワット(第1試技→第2試技→第3試技)
- Bグループのスクワット(第1試技→第2試技→第3試技)
- Cグループのスクワット(第1試技→第2試技→第3試技)
↓(準備5分程度)
- Aグループのベンチプレス(第1試技→第2試技→第3試技)
- Bグループのベンチプレス(第1試技→第2試技→第3試技)
- Cグループのベンチプレス(第1試技→第2試技→第3試技)
↓(準備5分程度)
- Aグループのデッドリフト(第1試技→第2試技→第3試技)
- Bグループのデッドリフト(第1試技→第2試技→第3試技)
- Cグループのデッドリフト(第1試技→第2試技→第3試技)
Aグループがスクワットを第1~第3まで連続で行い、次にBグループがスクワットを第1~第3まで、それが終わったらCグループが・・・という流れで進んでいきます。
各グループ内では、申請重量が軽い人から順に試技をしていき、同重量の場合はロットナンバー順となります。
ちなみに3グループ回しはかなり長丁場となりますので、その点は覚悟しておいた方が良いです。(大抵予定より時間が押します)
先日僕が出場した大阪府パワーリフティング選手権大会もまさに3グループ回しで、11時に試技が始まり、結局デッドリフトの最終試技が終わったのは17時半頃でした。
これが全国大会だと、さらに午前セッションと午後セッションに分かれていたりしますので、もっと時間が掛かります。
パワーの大会はとにかく長いんです・・・
スクワットの試技の流れ
スクワットの試技の流れは以下の通りです。
- 「バーイズローデッド(=重量がセットされました)」のコールでプラットフォームに入場する
- バーを担いで立つ
- 「スクワット」のコールでしゃがみ、立ち上がったら静止する
- 「ラック」のコールでラックに戻す
主審1人と副審2人が判定をし、白旗が2本以上上がれば試技は成功です。
しゃがみの深さが足りなかったり、合図無視をすると失敗になります。
また、「バーイズローデッド」のコールが掛かってから1分以内に「スクワット」のコールが掛からない場合も失敗になってしまうので、時間を掛け過ぎないようにも気を付けましょう。
ベンチプレスの試技の流れ
ベンチプレスの試技の流れは以下の通りです。
- 「バーイズローデッド」のコールでプラットフォームに入場する
- バーをラックアップして、肘をロックして静止する
- 「スタート」のコールでバーを下ろし、胸に付いたら静止させる
- 「プレス」のコールでバーをあげ、肘をロックさせ静止させる
- 「ラック」のコールでラックに戻す
主審1人と副審2人が判定をし、白旗が2本以上上がれば試技は成功です。
胸で止める時間が足りなかったり、合図無視をすると失敗になります。
「バーイズローデッド」のコールが掛かってから1分以内に「スタート」のコールが掛からない場合も失敗です。
デッドリフトの試技の流れ
デッドリフトの試技の流れは以下の通りです。
- 「バーイズローデッド」のコールでプラットフォームに入場する
- デッドリフトは審判のコール無しで自身のタイミングで引き始め、引ききったら静止する
- 「ダウン」のコールでバーを下ろす(この時、バーを離したり、コントロールを失っておろした場合は失敗となる)
主審1人と副審2人が判定をし、白旗が2本以上上がれば試技は成功です。
途中でバーが下がったり、太ももにバーを乗せてあおるようなフォームで挙げると失敗になります。
また、「バーイズローデッド」のコールが掛かってから1分以内に引き始めない場合も失敗です。
各グループ全員がデッドリフトを第3試技まで行ったら、そのセッションは終了となります。
表彰式&閉会式

全てのセッションが終わったら、少しして表彰式が始まります。
皆の健闘を称えましょう。
最後に大会主催者から閉会の挨拶があり、大会は終了です。
大会当日分からないことがあったら、勇気を出して周りの選手や役員の方達に聞いてみましょう
初めてパワーの大会に出るときって、本当に分からないことだらけで凄く不安だと思います。
2年前の僕もそうでした。
この記事を読んで少しでも流れを掴んでもらえれば嬉しいですが、実際会場に行ってみると分からないことが沢山出てくると思います。
そんなときは、ちょっと勇気を出して周りの選手や役員の方達に尋ねてみて下さい。
よほど忙しいタイミングでなければ、皆さん親切に教えてくれると思います。
誰だって最初は分からなくて当然なので、この記事を読んだり自分で調べても分からないことについてはドンドン周りに聞いていきましょう。
そういったちょっとした会話がきっかけでリフター仲間が増えたりもしますしね!
もし会場に僕がいたら僕に聞いてくれてもOKですw
まとめ
というわけで、今回はパワーリフティング大会当日の流れについて解説しました。
最後に要点をおさらいしておきましょう。
- できれば検量30分前には会場入りする
- ラックとセーフティーの高さを合わせる
- コスチュームチェックを受ける
- 検量を受ける
- リカバリーを行う(試技カードを記入しておく)
- ウォーミングアップを行う
- 試技を行う(スクワット→ベンチプレス→デッドリフト)
- 表彰式&閉会式
一応メインの流れはこれで網羅できているはずです。
大会当日は想定外のことも色々起こるかと思いますが、とにかく大会を楽しんで下さいね。
この記事が、初めてパワーリフティング大会に参加する人の助けになれば幸いです。
それではまた!

