最近では、ネットで検索すれば自分の欲しい情報を簡単に得ることができるようになりました。
僕自身も筋トレを始めたての頃は主にネットで情報収集を行っていましたし、今でも気に入った人のブログや海外サイトの記事はFeedlyで購読して読んでいます。
しかし、最近では筋トレ関連の情報収集は、書籍や論文から行うのがメインになっています。それは情報の質に拘るようになってきたからです。
どこの誰が書いたか分からないネット記事よりも、有名な専門家が書いた書籍や論文の方がずっと信用できますよね。(自分もネットで情報発信しておいてなんですが(笑))
今回は僕が今まで読んできた筋トレ関連書籍の中から、おすすめのものを12冊紹介していきたいと思います。
目次
初心者向け
筋力トレーニングメソッド
元ボディビルダーで、現在東京大学の教授をされている石井直方先生が書かれた本です。
筋肉が付く仕組みから、具体的なトレーニングまでイラスト付きで分かり易く書かれているので、初心者の入門編として最適だと思います。
自重、フリーウェイト、マシン、チューブに至るまで様々なトレーニングのやり方が書かれているので、自分の環境に合ったトレーニング法を学ぶことができます。
フォームの重要性について詳しく書かれているのも初心者向けとしてはGoodです。
トルクの話やテンポコントロールの話は中~上級者の方も参考になると思います。
5つのコツでカラダが変わる! 筋力トレーニング・メソッド (カラダをつくる本シリーズ)
サプリメントまるわかり大辞典
江崎グリコのスポーツブランド『パワープロダクション』の生みの親である桑原弘樹さんが書かれた筋トレサプリの解説本です。
桑原さんは各種スポーツ誌にコラムを掲載したり、講演会を行っており、この本はその内容をまとめたものです。
サプリメントを飲む意義や、各種サプリメントの効果や飲み方について、初心者でも分かり易いように漫画イラスト付きで分かりやすく解説されています。
初心者の方がサプリメントに興味を持つ良いきっかけになる本だと思います。
後半になるにつれて内容も濃くなっていくので、中~上級者の方にもおすすめできます。
中級者向け
筋肉の科学
先程紹介した「筋力トレーニングメソッド」の著者でもある石井直方先生が書かれた本です。
まさに「筋肉の科学」というタイトル通りの内容で、筋肥大の仕組みやトレーニングの効果などについて、様々な研究結果を元に科学的な解説がなされていきます。
この本を読み終える頃には、今までなんとなくしか理解していなかった部分(例えば、なぜ10RMが筋肥大に効果的なのか等)がはっきりと理解できているでしょう。
難しい内容もありますが、石井先生の解説がとても分かりやすいので、スッと頭に入ってきます。
筋トレを科学的に理解したい人は必読です。
究極の筋肉を造るためのボディビルハンドブック
著者のクリス・アセートは、Mr.オリンピアで4度の優勝を果たしたジェイ・カトラーのコーチをしていたことで有名です。FLEXやマッスル&フィットネスのコラムニストでもあります。
この本自体は2001年発売と少し古くはありますが、紛れもない名著です。トレーニング、食事、サプリメントに関する基本知識は全て詰まっています。
この本で述べられている内容は「THE 王道のトレーニング理論」といった感じのかなり硬派なものです。
それ以外の理論に対しては「こういう方法は効果がない」とバッサリ切り捨てていくのがこの本の特徴です。
実際には色んな考え方があり、どれが正しいとも言い切れないのがトレーニングだと思うので、この本の主張は1つの見解として受け止めるのが良いと思います。
しかし、非常に参考になる部分も多くあるので、トレーニングに悩み始めた中級者の方に是非読んで欲しい一冊です。
筋肥大メソッド
トレーナー兼ボディービルダーの岡田隆先生と、石井直方先生のお2人が書かれた本です。
岡田隆さんは日本オリンピック委員会強化スタッフとして柔道日本代表のトレーニングコーチも務められてられているだけでなく、自身も2014年東京オープンボディビル選手権では70kgで優勝されている凄い方です。
この本はポップな雰囲気の表紙とは裏腹にかなりハイレベルな内容となっています。
筋肥大についての基本的な考え方や、トレーニングの基礎知識、正しい食事やサプリメンテーションといったベーシックな内容がほとんどですが、岡田先生の解説の質が高いので勉強になることが多いです。
個人的には分割の仕方やダブルスプリットについての解説が参考になりました。
また、冒頭に石井先生と岡田先生の対談記事が載っているのですが、それもとても面白かったです。
基本事項を整理したい方や、ボディビル的な考えをトレーニングに取り入れてみたい方におすすめです。
筋肥大メソッド―筋肉に手を加えることで理想のカラダは手に入る (B・B MOOK 1132)
筋肉の使い方・鍛え方パーフェクト事典
「ちょっと解剖学的な知識も欲しいなー」という中級者の方におすすめです。
筋肉の構造や働きについて理解することは、対象の筋肉にうまく効かせるために重要なことです。
例えば、「上腕二頭筋には、肘の屈曲だけでなく前腕の回外の働きもある」ということを知っていれば、ダンベルカールのフィニッシュのときに腕を少し回外させるのが効果的だと分かります。
この本では、各筋肉の付着位置(起止・停止)や筋繊維の走る方向、主な働きなどをイラスト付きで解説してくれます。
また、その後の種目解説では「具体的にどういったことを意識して動作すれば良いか」というコツを教えてくれるので、非常に実践的です。
私は今でもトレーニングのフォームに悩んだときは、まずこの本を開いて筋肉の構造や働きを確認しています。
ドリアン・イエーツのすべて

Mr.オリンピア6連覇を果たしたドリアン・イエーツのすべてが分かる本です。
前半はドリアンの生い立ちから引退までの半生について、後半はドリアンが行っていたトレーニングや食事の具体的な内容とそれに対するドリアンの考え方が書かれています。
この本は単なる自伝ではなく、ドリアンの持つ筋トレの知識や考え方が詰まったマニュアル本といった感じです。
メニューの組み方やセット数、疲労と回復についてのドリアンの考えは非常に参考になります。
また、とてつもなくストイックなドリアンの人間性が伝わってきて、なんだかトレーニングのモチベーションも上がってきます。
ボディビルに興味がない方にもおすすめできる一冊です。
ドリアン・イエーツのすべて―究極のボディビルダーが語る究極のボディビル・ガイド
炭水化物のすべて:山本義徳 業績集 1
著者の山本義徳氏は、サプリメントについて日本一詳しい人物と言っても過言ではないでしょう。
元ボディビルダーで、現在はトレーナー業をされています。
ダルビッシュ有や松坂大輔などのトップアスリートを指導してきた実績のある方で、筋トレ界隈で僕が最も信頼する人物の一人です。
膨大なエビデンスに基づいた有益な情報を自身のブログやメルマガで発信されています。(実は僕もそのメルマガを購読しています(笑))
そんな山本義徳さんが今まで集めた科学的知見を、書籍としてまとめてくれたのがこの「山本義徳 業績集」シリーズです。
炭水化物編であるこの本では、炭水化物とは何か?という基本的な部分から始まり、ワークアウトドリンクの効果やインスリンの働きなどについて多くのエビデンスを引用しなが分かりやすく解説してくれています。
体脂肪を付けないバルクアップ法についても言及されており、そこが特にためになりました。
全トレーニー必読の名著です。ただし、Kindle版限定での発売となっているので注意が必要です。
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タンパク質とアミノ酸 前編:山本義徳 業績集 2
「山本義徳 業績集」の第2弾であるこの本は、タンパク質とアミノ酸、特にプロテインについて詳しく解説されていて、その内容は目から鱗が落ちるようなものばかりです。
僕はこの本を読んで初めてカゼインプロテインの負の側面について知りました。
気になる方は是非読んでみてください。これもKindle版限定での発売となっています。
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上級者向け
Starting Strength
著者のマーク・リプトーは、世界で最も有名なストレングスコーチの一人です。
基本的な5種目のバーベルトレーニング(スクワット・オーバーヘッドプレス・デッドリフト・ベンチプレス・パワークリーン)について、これ以上ないほど詳しく解説されています。
全て英語で書かれているので読むのは大変ですが、図が多く入っているので、英語の意味が分からなくても大体の内容は掴めると思います。
トレーニング上級者で知らない人はいないほどの有名な本ですが、実際に読んでみると本当にタメになることばかりでした。
英語を読む気力のある人には是非読んでもらいたい一冊です。
Starting Strength (English Edition)
タンパク質とアミノ酸 後編:山本義徳 業績集 3
「タンパク質とアミノ酸」の後編である本書では、BCAAやグルタミン、アルギニンとシトルリンなど、サプリメントとして一般的に使われているアミノ酸の話が中心です。
BCAAとEAAの使い分けなど、有益な情報が盛りだくさんでした。
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脂肪酸とケトン体 ~糖質制限ダイエットの科学:山本義徳 業績集 4
脂肪の構造や代謝の話、EPAやDHAといった脂肪酸の話、さらには糖質制限ダイエットの話まで広く扱われています。
糖質制限ダイエットがアスリートのパフォーマンスへ及ぼす影響についても述べられており、非常に面白い内容でした。
糖質制限に興味がある方は絶対に読むべきです。
脂肪酸とケトン体 ~糖質制限ダイエットの科学: 山本義徳 業績集 4
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まとめ
初心者向けから上級者向けまで、計12冊の筋トレ関連書籍を紹介しました。
この中から、自分のレベルに合わせてまず2~3冊読んでみることをおすすめします。
筋トレ関連の書籍は色々ありすぎて迷ってしまうかもしれませんが、基本的には石井直方先生、岡田隆先生、山本義徳さんといった知識・経験ともに豊富な人物の書籍を選んでおけば失敗は少ないと思います。
この記事が皆さんが本を選ぶ際の助けになれば幸いです。