こんにちは、パワーリフターでホームトレーニーのカイです。
ホームジムを作る上での大きな悩みの一つが、「床の補強をどうするか?」ということだと思います。
特にパワーラックやバーベルセットを取り入れた本格的なホームジムを作る場合、床を補強する作業は絶対に必要になってきます。
今回僕が調べて実践した床の補強方法やその作業の過程、実際に掛かった金額をここで共有しておきます。
これからホームジムを作ろうとしている皆さんのお役に立てれば幸いです。
目次
- ホームジムの床補強は3層構造がおすすめ
- ただし、ダンベルとフラットベンチしか置かない場合は「ジョイントマットのみの1層構造」で十分!
- 荷重分散のために「木材による補強」は絶対に必要
- 安さを求めるならコンパネ、質を求めるなら構造用合板
- 僕自身は「21mmのラワン合板(構造用合板)」を敷きました
- クッション材はジョイントマットが便利
- 最終的に「ジョイントマット(ワイルドフィット)+ラワン合板+ジョイントマット(FIELDOOR)」の三層構造を選びました
- 実際の床補強作業の様子
- 床補強の総額は77,680円・・・結構お金が掛かります
- おまけ:パワーリフティングの試合を想定して一番上にカーペットを敷きました
- 250kgでデッドリフトを行っても問題なし!
- まとめ
ホームジムの床補強は3層構造がおすすめ
結論から言うと、本格的なホームジムの床補強には、クッション材で合板をサンドイッチした3層構造がおすすめです。

特に賃貸マンションやアパートで、防音・防振面も考慮するならこれがベストです。
3つの層にはそれぞれ役割があり、
- 第3層のクッション材(硬度の高いしっかりしたもの)で騒音や振動を防ぐ
- 第2層の木材で床に掛かる荷重を分散
- 第1層のクッション材(安価)で床を傷から保護
という意図があります。
もし一軒家などに住まれていて、騒音や振動をあまり気にする必要がない場合は、
- 3層目のクッション材を無くして2層構造にする
- 3層目を滑り止め目的でカーペットに変更する
という選択肢もありです。
皆さんの住環境や目的に合わせて選びましょう。
ただし、ダンベルとフラットベンチしか置かない場合は「ジョイントマットのみの1層構造」で十分!

3層構造を勧めるのは、あくまでもパワーラックやバーベルセットを取り入れた本格的なホームジムの場合です。
ダンベルとフラットベンチしか置かないような簡易タイプのホームジムであれば、ここまで大げさな補強は必要ありません。
硬めのゴムマットやジョイントマットを敷くだけの1層構造で十分です。
ジョイントマットを選ぶなら、硬度65と市販品の中で最も硬いワイルドフィットのジョイントマットがおすすめです。
これについては後で詳しく紹介します。
荷重分散のために「木材による補強」は絶対に必要
さて、話を本格的なホームジムの場合に戻します。
基本的に部屋の中に重量物を置く際は、建築基準法で定められている床の耐荷重180kg/㎡を超えないように注意する必要があります。
特にバーベルやパワーラックは重量の割りに床との接地面積が小さいため、そのまま床の上に置いてしまうと局所的に大きな圧力がかかってしまいます。

そのため、木材(コンパネ・構造用合板等)のような固くて面積の広いものを床の上に敷いてやり、荷重を分散させる必要があります。
安さを求めるならコンパネ、質を求めるなら構造用合板
ホームジムの床補強で使われる木材として一般的なのが、「コンパネ」と「構造用合板」です。
「床補強って何敷いたらいいの?コンパネでいいの?」というような質問を良く受けますが、僕の答えとしては「安さを求めるならコンパネ、質を求めるなら構造用合板」です。

2種類の木材の特徴をまとめたのが以下の表になります。
コンパネ | 構造用合板 | |
基準サイズ | 910mm × 1820mm |
900mm × 1800mm |
厚さ | 12mm | 5.5 ~ 28mm が主流 |
説明 | ベニヤ板を貼り 合わせたもので、 コンクリート 型枠用に作られ た防水合板 |
建築構造用の強度 証明ができる合板 で、プロ向けの建材 |
メリット | ・安い | ・厚さが選べる ・強度が高い |
デメリット | ・厚さが一定 ・強度がイマイチ ・反りが出ること がある |
・やや高価 |
価格 | 2,000円~ | 12mmで2,800円~ |
コンパネなら2枚重ねがベター
コンパネ(コンクリートパネル)は、ホームセンターなどで簡単に手に入ることから、ホームジムの床補強材として最も一般的です。
一番安上がりですが、厚さが12mmしかなく強度もあまり高くないため、デッドリフトで落としてしまったときなどに割れてしまう可能性もあります。
デッドリフトを自宅で行う予定の方でコンパネを使用する場合には、コンパネを2枚重ねにして張り合わせるのがベターです。
パワーラックの荷重分散のためだけならコンパネは1枚でも問題ないでしょう。
構造用合板なら20mm以上のラワン合板を選ぶのがおすすめ
一方の構造用合板は、プロ向けの建材で強度が高く、厚さが選べるのが特徴です。
ホームジムに使用するなら厚さ20mm以上を基準にすると、強度面では間違いないはずです。
シナランバーやら何やら構造用合板には色々種類がありますが、強度面で言えば最も固いラワン合板がおすすめです。
僕自身は「21mmのラワン合板(構造用合板)」を敷きました

僕自身は、厚さ21mmのラワン合板(構造用合板)を敷くことにしました。
将来的にデッドリフトで250kg以上の高重量を扱うことになると考えたときに、コンパネでは頼りないと感じたからです。
ちなみに、Amazonや楽天では21mmの厚さで丁度良い寸法のラワン合板が見つからなかったので、今回は「株式会社 アサヒ」という木材メーカーさんのネットショップを利用しました。
パワーラック+デッドリフトを行うスペースが必要であることを考慮して、やや大きめの4×8 サイズ(1,220mm×2,430mm)を2枚注文し、それぞれ希望のサイズにカットしてもらいました。(カット料金は無料でした)
合板は、近くのホームセンターで注文するか、木材のネットショップを利用するのが良いでしょう。
クッション材はジョイントマットが便利
クッション材としてはジョイントマット、ラバーマット、畳あたりがよく使われますが、配置の自由度の高いジョイントマットが一番便利です。

一辺50cm程度の正方形のマットを組み合わせて、好きな形に配置することができます。

長方形や正方形でしか使わないのであれば、ラバーマットも悪くはありませんが、大抵始めの方は非常にゴム臭いので注意してください。
3層目には「ワイルドフィット」がおすすめ

ジョイントマットで一番おすすめなのは、ワイルドフィットのジョイントマットです。
ここのジョイントマットは何といっても硬い(硬度65)のが特徴で、私の調べた中では市販品の中で一番硬度が高いです。
硬度とはマットの硬さの指標のことで、この硬度が高いほどトレーニングマットとしては優れていると考えて良いです。(足元が柔らかくてグニャグニャしていたら踏ん張れません。)
硬度65と言えば、ジムの床に敷かれているマットと同程度の固さなので3層目に敷くジョイントマットとして最適です。
50cm×50cmの8枚セットで11,500円(1㎡あたりの単価が5,900円)とやや値は張りますが、間違いなく市販されている中では最高のジョイントマットです。
1層目にはコスパの良い「FIELDOOR」がベスト

コスパ最強のFIELDOORのジョイントマットは一層目の床を保護する用途に最適です。
硬度55とワイルドフィットの商品に比べると少し柔らかいですが、直接足で踏むことはないので問題にはなりません。
45cm×45cmの8枚セットで3,900円(1㎡あたりの単価は2,037円)と、単位面積当たりの価格が非常に安いです。
最終的に「ジョイントマット(ワイルドフィット)+ラワン合板+ジョイントマット(FIELDOOR)」の三層構造を選びました
というわけで、最終的に僕が選んだのは下の画像のような三層構造です。

FIELDOOR(柔らかめ)のジョイントマットの上に21mmのラワン合板を敷き、その上にワイルドフィット(硬め)のジョイントマットを敷いています。
それぞれの層の意図は次の通りです。
第1層:ジョイントマット(FIELDOOR)
床への衝撃の緩和、および床に合板が擦れて傷が付くことを防ぐ。
これは価格重視でFIELDOORのジョイントマットを選択。
第2層:ラワン合板(21mm)
荷重を分散させ、床への負担が一極集中することを防ぐ。
また、バーベルやプレートを落とした際に床に直接ダメージが伝わることを防ぐ。
200kg以上の重量で床引きデッドリフトをするため、21mmの厚さを選択。
第3層:ジョイントマット(ワイルドフィット)
騒音および衝撃を緩和する。柔らかいと足元が変形してしまい安定しないので、硬度の高いワイルドフィットのジョイントマットを選択。
特に重要なのは、第二層の合板を極力厚いもの(出来れば20mm以上)にすること。
そして第三層のクッション材は硬度の高いもの(硬度65程度)を選ぶことです。
この2つを守っていればまず大きな失敗はありません。
第一層ははっきりいってなんでも良いので、安いものを選ぶと良いでしょう。
実際の床補強作業の様子
実際の床補強作業の様子を紹介しておきます。
まずFIELDOORのジョイントマット8枚組を6セット使って、床全面を埋めていきました。

こんな感じで各辺を繋ぎ合わせていきます。

40枚を使ってほぼ一面が埋まりました。

この上にラワン合板(960×1920×21)を二枚並べて敷いて、

さらにその上にワイルドフィットのジョイントマットを接着剤で貼り付け、最後に合板からはみ出た部分をカッターでカットして完成です。

床補強の総額は77,680円・・・結構お金が掛かります
今回床補強に掛かったお金の総額を計算してみました。
商品 | 数量 | 金額 |
ラワン合板 | 2枚 | 30,780 |
ジョイントマット(FIELDOOR) | 8枚組6セット | 23,400 |
ジョイントマット(ワイルドフィット) | 8枚組2セット | 23,500 |
総計 | ー | 77,680 |
合計77,680円でした。
意外と床の補強ってお金がかかるんですよね。
勿論手抜きをしたり質を下げればもっと安く抑えることもできますが、万が一自宅の床にプレートやバーベルを落としてしまったときのことや、トレーニングの快適さのことを考えると、このくらいの金額は仕方ないかと思います。
ちなみにこの部屋の広さは7.7帖ですので、ご参考までに。
おまけ:パワーリフティングの試合を想定して一番上にカーペットを敷きました

後日談ですが、僕はパワーリフターなので、実際の試合を想定して一番上にカーペットを敷きました。(パワーリフティングの試合会場では試技スペースにカーペットが敷かれています。)
ただの市販のパンチカーペットなので実際に試合で使われるものとは違いますが、それでも滑り止め効果は抜群ですし、大変満足しています。
特に広めのワイドスタンスでデッドリフトをされる方には必須と思います。
ネット販売だと、幅は固定(182cmが多い)で長さを1m毎に注文できるパターンが多いです。
182cm×200cmなら約3,000円ですし、意外と安く手に入ります。
250kgでデッドリフトを行っても問題なし!
この記事で紹介した3層構造+カーペットの環境で、実際に250kgまでデッドリフトを行っていますが、強度的な問題は全く感じていません。
上の動画がその250kgの映像ですが、MAX重量への挑戦だったので流石に下ろしをコントロールしきれずやや勢いを付けて下ろす形になってしまいましたが、それでも何の問題もなく受け止めてくれました。(音は響いてしまいましたが)
やはりこれくらいの高重量デッドリフトを自宅で行うなら、20mm以上の合板を使用した3層構造は必須だと感じます。
逆に、自宅でデッドリフトをやらないならジョイントマットの上にコンパネを敷くだけの2層構造でも問題ないでしょう。
その辺りは用途に合わせて選択して下さい。
まとめ
今回は僕が自宅の床を補強するにあたって調べた内容と、実際に実践した補強方法を紹介しました。
結論としては、補強に万全を期すなら厚めの合板をクッション材でサンドイッチした三層構造がおすすめですよということです。
床引きで200kg以上のデッドリフトを頻繁に行っていますが、優しく下ろす分には床へのダメージや大きな振動は感じません。
少々値は張りましたが、この補強方法は大正解だったと思っています。
この記事がホームジムの床補強で悩んでいる皆さんの参考になれば幸いです。


