EGCGは緑茶に含まれるカテキンの一種です。
体脂肪の減少に効果があり、ダイエットサプリメントとして人気を集めています。
また、EGCGは強力な抗酸化物質でもあり、ビタミンEの10倍以上という高い抗酸化力を持っています。
目次
EGCGは、緑茶に含まれるカテキンの一種
EGCG(エピガロカテキンガレート)は、緑茶に含まれるカテキンの一種です。
サプリメントの成分表示には「緑茶抽出物(Green Tea Extract)」と表記されますが、主な有効成分はこのEGCGです。

緑茶中には、EC(エピカテキン)、EGC(エピガロカテキン)ECG(エピカテキンガレート)、EGCG(エピガロカテキンガレート)などの約4種類のカテキンが含まれていますが、その中で最も多く含まれるのがEGCGであり、緑茶中のカテキンのうち実に50~60%を占めています。

カテキンは健康に良いとされる「ポリフェノール」の一種であり、
- 消費カロリー増大作用(※1, ※2)
- 抗酸化作用(※3)
- コレステロール値を下げる作用(※4)
など様々な効果を持ちます。
近年では、そうした効果の多くには特にEGCGが強く関与していることが分かってきており、EGCGは緑茶由来の健康成分として注目されています。
EGCGの効果
体脂肪減少
EGCGは体脂肪減少に効果があります。
レビュー論文によると、緑茶(緑茶抽出物ではない)の摂取により12週間で平均0.2kg~3.

EGCGは、消費エネルギー量を増やすことで体脂肪減少に貢献します。
EGCGの摂取が消費エネルギーを増やす理由の一つとして、脂質のエネルギー化を促進することが挙げられます。
脂質の一部は肝臓で「β酸化」というエネルギーを得るための分解を受けて最終的に水と二酸化炭素になりますが、EGCGはこの肝臓でのβ酸化活性を高めることが報告されています。(※6)
また、ヒトの身体には「褐色脂肪組織」と呼ばれる運動をしなくてもカロリーを消費する組織がありますが、EGCGはこの褐色細胞組織を活性化することでカロリー消費量を増やすことも分かっています。(※7)
抗酸化作用
ポリフェノールは優れた抗酸化作用を持つ物質として有名ですが、中でもEGCGの抗酸化作用は非常に強力で、ビタミンEの10倍以上の抗酸化力を持つことが分かっています。(※8)

抗酸化物質は活性酸素による細胞膜の損傷を防ぐことで筋肉の炎症を抑制するので、EGCGを摂取することで筋トレ後の回復を促進することができます。
研究ではマウスにダウンヒルランニングを行わせたところ、緑茶カテキン摂取群では酸化ストレスが顕著に減っており、CKやLDHが低く、
EGCGに関する主な研究報告
【1】若い健康な男性被験者をEGCG90mg+カフェイン50mgを摂取する群、カフェイン50gのみを摂取する群、プラセボ(偽薬)を摂取する群の3つのグループに分け、24時間後のエネルギー消費量を調べた。
EGCG90mgとカフェイン50mgを摂取したグループでは、プラセボのグループと比較して、24時間後のエネルギー消費量は4%増大した。(※2)
【2】肥満女性を対象にした研究では、8週間に渡り緑茶の摂取とレジスタンストレーニングを組み合わせて行ったところ、体脂肪が減少し、ウェストが減り、除脂肪体重が増加し、
【3】カフェインの量を200mgに固定し、EGCGの量を90mgと200mg, 300mg, 400mgに変化させ、毎食30分前に摂取。それを一日3回行った。
その結果、
EGCGが90mg(一日で270mg)
EGCGの摂取は一日300~400mgを目安に
一日に300~400mgのEGCGの摂取により、十分な減量効果が期待できます。
商品のEGCG濃度にもよりますが、緑茶抽出物でいうと600~800mg程度摂れば十分でしょう。
サプリメントではなく緑茶自体を飲むという場合は、緑茶100mlあたり80~
EGCGはカフェインと飲むことで体脂肪燃焼の相乗効果が期待できる
EGCGと相性が良いのはカフェインです。

カフェインと同時に摂ることで、より高い脂肪燃焼効果を得ることができます。(※11, ※12)
カフェインはアドレナリンやノルアドレナリンを分泌させて脂肪酸
カフェインとEGCGを同時に摂取することで血圧が増加し、消費エネルギーが増大するものと考えられます。
ちなみにこの2つはどちらも容量依存的であり、多く摂取すれば多く摂取するほど効果が高いようです(※12)。
摂りすぎには注意しつつ、EGCG300mg+カフェイン200mgを目安に十分な量を摂取しましょう。
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EGCGの国内での副作用の報告は確認されていません
国内での副作用報告は確認されていません。
海外では、カナダで緑茶抽出物製品の摂取との関連が疑われる肝毒性の事例が報告されています。(※13)
しかし、EGCGとの因果関係は証明されていませんし、副作用に関してむやみに神経質になる必要はないでしょう。
EGCGに限らず、どんな成分も摂りすぎて良いことはありません。商品に記載されている用法・用量を守って摂取するようにしましょう。
おすすめのEGCG
Now Foods, EGCg
おすすめはNow FoodsのEGCGで、この商品はカテキン80%、EGCG50%に標準化されています。
標準化とは、季節や発育条件によって異なる野菜やハーブの有効成分を、サプリメントに加工する際、全て一定の割合で配合されるように調整することです。
つまりこの商品は「緑茶抽出物(Green Tea Extract)」という表記の内、最低でも50%はEGCGが含まれているということです。
EGCGに限らずですが、標準化されていない商品だと実際にどれくらい有効成分を摂取したか分からないので、できれば標準化されているものを選びたいですね。
ドーピングチェックのある団体に所属しているアスリートの方へ

最後に、ドーピングチェックのある団体に所属しているアスリートの方へ注意喚起をしておきます。(一般の方は読み飛ばしてもらって結構です)
市販されている全てのサプリメントには、製造の過程で成分表示外の禁止物質が混入している可能性があります。(コンタミネーション)
インフォームドスポーツのような全ロット検査のアンチ・ドーピングプログラムの認証を受けている商品は限りなく安全に近いですが、それでも禁止物質が混入している可能性はゼロではありません。
僕がこの記事で紹介しているサプリメントは、一応過去にドーピング違反物質が含まれていたという事例はないメーカーの商品ですが、今後コンタミが起きない保証はどこにもありません。
「海外製はダメ、国産なら安心!」という単純な問題でもないです。
脅しをかけるようで申し訳ないですが、そういったリスクを認識した上で、「あくまでも自己責任」で購入されるようお願いします。
まとめ
今回の記事では、「EGCGの筋トレ効果」について解説しました。
EGCGは減量に効果的だという研究報告が多く、個人的にも減量末期には好んで摂取しているサプリメントです。
緑茶を一日に600~800ml程度飲むことでも十分量が摂取できるので必ずしもサプリメントから摂る必要はありませんが、減量中には何らかの形で摂取した方が良いと思っています。
EGCGが50%標準化されているNow Foodsの商品がおすすめです。
【参考文献】
※5:
Can green tea preparations help with weight loss ? Can Pharm J (Ott). 2014 May; 147(3): 159-160.
※8:
南条 文雄, New Food Industry, 1998;40(12);61-67
※13:
Canadian Adverse Reaction Newsletter, Volume 17, Issue 1, January 2007