減量

水抜きによる減量の正しい知識と基本的なやり方

こんにちは、カイです。

前回の記事では短期間での減量全般について解説しましたが、今回の記事ではその中でも「水抜き」に焦点を絞って解説していきます。

水抜きについて全く知らない人でも、その仕組みや基本的なやり方が分かるように書いたつもりです。

階級制のスポーツをしている方を対象に書いていますが、フィジークやボディビルの選手にとっても役立つ内容になっていると思います。

それでは見ていきましょう。

水抜きが階級制スポーツにおいて有効なワケ

ボクシングやパワーリフティングなどの階級制スポーツにおいて、「水抜き」はとても有効な減量テクニックです。

それは水抜きが、筋量を減らすことなく短期間で体重を大幅に落とせる方法だからです。

筋肉は力発揮の源ですから、もしも筋量が減ってしまったら、運動パフォーマンスの低下は免れません。

水抜きはその言葉通り、体組成を変えることなく水のみを減らすわけですから、検量が終わってから試合までの間にしっかりリカバリー(水分と電解質を再補給)できれば、パフォーマンスへの影響は最小限に抑えることができます

これが、水抜きが階級制スポーツにおいて有効な理由です。

水抜きで落とす体重は5%以内で計画するべし

水抜きがいくら体重減少に効果的とは言え、脱水症状を起こしてしまったり、試合当日のパフォーマンスが低下してしまっては元も子もありません。

通常、5%を超えて水分が失われる頃には、疲労感や頭痛、めまいなどの脱水症状が現れます。

8%を超えると痙攣などを起こし、20%以上になると死亡に至る危険があります。

引用元:大塚製薬「もしも身体の水分がなくなったら」https://www.otsuka.co.jp/nutraceutical/about/rehydration/water/dehydration-signs/

もちろん許容量には個人差がありますし、季節や体調によっては5%以上落としても脱水症状が現れない場合もあるかと思いますが、過度な水抜きは危険であることだけは十分に認識しておいて下さい。

減量計画を立てるときは、水抜きによる減量幅は体重全体の5%以内に収めるようにしましょう。

体重全体の5%の減量というと、

  • 体重70kgの人で66.5kg(-3.5kg)
  • 体重100kgの人で95.0kg(-5.0kg)

程度の減量幅になります。

5%以内の減量幅で階級リミットに到達するためには、何キロから水抜きをスタートすれば良いのか、事前にしっかり計算しておきましょう。

水抜きとは「水の摂取量 – 水の排出量」のバランスを負に傾けること

人体の約60%は水分です。

ヒトは飲み物や食事などから水分を補給していますが、ほぼ同じ量を体外へ排泄して、常に体内のバランスをとっています。

水を抜くとは、この「摂取量 – 排出量」のバランスを負に傾けることです。

簡単に言えば、水の摂取を控えて、汗をいっぱいかき、尿を沢山出せば水は抜けます

しかし、実際には水の摂取を控えると汗や尿などからの水の排出が減るので、どこまでも水分量が減っていくということはありません。

これは、カラダには「恒常性(ホメオスタシス)」と呼ばれる仕組みが働いているためです。

ホメオスタシスを考慮すると、水抜きは短期決戦で行うべき

カラダには水分量や電解質の濃度を常に一定に維持しようとする恒常性(ホメオスタシス)が働いています。

この働きにより、水の摂取を控えると、体内の水分量を維持するためにアルドステロン(*1) やバソプレシン(*2) といったホルモンが分泌され、水の排出が抑えられる仕組みになっています。

  • (*1) アルドステロン・・・ナトリウムと水分の再吸収を増やす働きがある。体液量の減少に伴い分泌される。
  • (*2) バソプレシン・・・腎臓での水の再吸収を増やす働きがある。血清ナトリウム濃度の低下に伴い分泌される。抗利尿ホルモンとも呼ばれる。

したがって、水抜きを開始した直後は簡単に水が抜けますが、水抜きが長期間に及ぶと水はほとんど抜けなくなってしまいます

そのまま水抜きを続けても、身体がしんどいだけで体重はほとんど減らなくなり、コンディションは悪化の一途を辿ります。

無駄にコンディションを悪化させないためにも、水抜きは短期決戦で行いましょう。

水を抜くのは検量の前日からで十分です。

普通は検量前日の夕方ぐらいから水の摂取を控えるだけでよく、完全にカットする必要はありません。

もし大幅に落とさなければならない場合は、検量12時間前ぐらいから水分を完全にカットしてしまっても良いと思います。

水抜きの前にはウォーターローディングを行うのが効果的

ウォーターローディングは、水抜きを始める前の数日間に渡って大量の水を摂取しておく方法です。

その狙いは、ホメオスタシスを利用して、身体が水を排出しやすい状態を作り出すことにあります。

体内に水分が多いと、ホメオスタシスにより水を排出しようとする働きが高まるため、数日間に渡り水を大量に摂取しておくことで、その後の水抜きを効率良く進めることができるのです。

ウォーターローディングの基本的なやり方

  • 検量の4~5日前ぐらいから始めて、2日前までは普段の2~3倍程度を目安に水を飲めるだけ飲む(最低でも4L以上推奨)
  • 検量の前日は、水の摂取量を1〜2L程度まで控える
  • 水を飲むペースは、1時間あたり1.2Lを超えないように注意。(水中毒を引き起こす恐れがあるため)

ウォーターローディングは海外ではかなり主流となっているようで、パワーリフティング専門サイト「Powerlifting To Win」においても、ウォーターローディングを用いた水抜きが紹介されています。

 

僕自身も、昨年末の試合前には、この記事を参考にウォーターローディングを行い、5日間の調整で約3.2kg落とすことができました。

コンディションも問題ありませんでしたし、ウォーターローディングを用いた水抜きは成功したと言えると思います。

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ナトリウムを減らすことで体内から水が抜ける(塩抜き)

ナトリウムは、体液浸透圧の調節および細胞外液量の維持に、最も重要な働きをしている電解質です。

分かりやすく言うと、ナトリウムには体内に水を蓄える働きがあります

熱中症予防で「水と一緒に塩(NaCl)を摂れ!」と口酸っぱく言われるのは、ナトリウムを摂らないと体内に水を蓄えることができないからです。

逆に言えば、ナトリウムを減らすと体内に蓄えられる水の量が減るので、結果的に水を抜くことができます

これがいわゆる『塩抜き』と呼ばれる水抜きのテクニックです。

日本人は、普通の食事をしていれば、ナトリウムを食塩相当量で12g程度は摂っているので、これを検量前日に半分以下、できれば2~3gまで減らしましょう。

ただし、いくら水が抜けるからと言って、過度に塩を減らしてしまうと低ナトリウム血症となり、吐き気や頭痛、筋肉の痙攣などを起こす危険があります。

減らし過ぎには十分に注意が必要です。

「日本人の食事摂取基準(2015年版)」(厚生労働省)では、ナトリウムの排泄量から換算された18歳以上の男女共通1日推定平均必要量を、600mg(食塩相当量1.5g)と見積もっています。

したがって、最低でも食塩相当量で1.5gは下回らないようにすべきと考えられます。

なお、塩抜きのタイミングについて、僕は検量前日に一気に減らす方法を推奨していますが、数日前から徐々に減らしていく方法もあります。

最終的には自分の身体で色々試してみた上で、一番身体への負担が少なく、良いコンディションで試合に臨めるような方法を見つけて下さい。

ナトリウムローディングという手法もある

ホメオスタシスを利用した水抜きの手法として、ナトリウムローディングという方法もあります。

これは先ほど紹介したウォーターローディングのナトリウム版です。

ナトリウムを減らすと体内から水が抜けることは先ほど説明しましたが、この場合も当然ホメオスタシスが働いてしまいます

ナトリウムを体内に保持しようとして、アルドステロンの分泌が増え、結果的に水が抜けにくい状態になってしまうのです。

では、どうするべきか・・・

そう、ここでも「ナトリウムの摂取量を一時的に増やしておき、直前でカットする」という、ウォーターローディングと同様の手法が有効となります。

これがナトリウムローディングです。

ナトリウムローディングの方法

  • 2週間~10日かけてナトリウムの摂取量を、最終的に普段の3割増し程度まで増やす
  • 検量の24時間前あたりからナトリウム摂取を減らす
  • 水は検量前々日までは飲めるだけのみ、検量前日夜から控える

参考:【博士のダイエット&バルクアップ研究所】コンテスト・プリパレーション Part 9より一部改変

僕はまだ実際に試したことはありませんが、原理から考えると有効な手段ではないかと思います。

次回の水抜きで試してみる予定です。

カリウムには余分なナトリウムを排出する働きがある

カリウムには腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制して、尿中への排泄を促すはたらきがあります。

したがって、カリウムを多く摂ることで余分なナトリウムが排出され、水が抜けやすくなります

カリウムの多い食材としては野菜、イモ類、果物、大豆製品などが挙げられます。

体重調整のために全食流動食にしている場合は厳しいかも知れませんが、可能であれば塩抜きと並行して、カリウムの多い食材を積極的に摂ると良いでしょう。

汗をかきたいならサウナか風呂を利用すべし!ランニングはNG

汗をかきたい場合は、サウナや風呂を利用しましょう。

ただし、体調が悪くなるほど長時間サウナに入ったり、のぼせるほど長く湯船に浸かるのはNGです。(個人的には、38~40度程度での半身浴を推奨します。)

また、汗をかきたいからと言って、試合前日にランニングやダッシュなどの激しい運動を行うのは絶対にやめて下さい。

体力を消耗してしまい、試合当日のコンディションに悪影響を及ぼす恐れがあります。

サウナについては、先ほど紹介した「Powerlifting To Win」の記事 の中で、次のようなプロトコルが掲載されていたので紹介しておきます。

サウナプロトコル

  • 15分間サウナに入る
  • 5分間外に出る(汗はしっかりタオルで拭く)
  • 上記を1セットとして、これを複数セット行う
  • 検量前日の17時までに済ませる

参考:Cutting Weight Powerlifting: 2 Hour and 24 Hour Weigh Ins – Powerlifting To Winより抜粋

長時間入るよりも、短い時間を何回か繰り替えした方がカラダへの負担が少ないのは感覚的にも頷けますよね。

時間帯については、必ずしも17時までに済ませる必要はないと思いますが、睡眠を妨げないように就寝直前のタイミングは避けましょう

寝る前の体重はリミットオーバーしていても問題ない

寝る前の時点では、体重がリミットオーバーしていても問題ありません。

寝ている間にも呼気や寝汗によって水は体外へ出ていきますし、会場への移動中にも多少は体重が落ちるので、寝る前の時点では階級リミット+0.5~0.8kgぐらいまで落としておけば十分だと思います。

ただし、夏と冬では汗によって出ていく水分の量がかなり変わることに注意が必要です。

普段から体重を計る習慣を付けておき、自分は寝ている間にどのくらい体重が落ちるのか、しっかり把握しておくようにしましょう。

ちなみに僕の場合ですと、夏場で1.2~1.5kg、冬場だと0.7~0.9kgぐらいの幅に収まることが多いです。

最終手段ですが、「唾吐き」という手段も・・・

検量当日に取れる水抜きの最終手段として、「唾吐き」があります。

文字通り、唾を吐くことによって極限まで水を抜くのです。

具体的なやり方としては、唾液を分泌しやすいようにガムなどを噛んで、口に唾液が溜まってきたら用意した容器に唾を吐いていきます。

数時間やり続ければ、0.2~0.3kgぐらいは落とせるはずです。

ただ、検量当日に唾吐きをやらなければいけないほど追い込まれている時点で、かなり苦しい体調になっていると思います。

あくまでも、唾吐きは最終手段と考えておきましょう。

検量後はすぐにリカバリーを行うこと

水抜きを行った場合、検量当日は身体が脱水状態になっており、水分と塩分が確実に不足しています。

検量が終わったらすぐに水分と塩分を補給し、リカバリーを行いましょう。

ハードな水抜きをしていたなら、1リットル程度の水分は摂取するべきですが、一気に飲み過ぎると下痢をしてしまう可能性があります

喉の渇きを潤す程度に飲んだら、あとはチビチビと1時間ぐらいかけて飲みましょう。

塩分を含んでいない飲料を飲むと体液濃度が薄まってしまい、飲んだ水を尿として排出しやすくなってしまいます。

水分補給には必ず、経口補水液やポカリスエットのような、塩分を含んだ飲料を用いて下さい。

まとめ

この記事の要点は以下の通りです。

  • 水抜きで落とす体重は5%以内に抑える
  • 水を抜き始めるのは検量の前日から(完全カットするは12時間前からでOK)
  • ウォーターローディングを行う場合は、前々日までは水を飲めるだけ飲む
  • 前日にはナトリウムの摂取量を半分以下、できれば2~3g(食塩相当量)まで減らす
  • ナトリウムローディングを行うのもアリ
  • 汗をかきたいならサウナか風呂で!走って無駄に体力を消耗するのはNG
  • 寝る前の体重は、リミット+αでOK
  • 唾吐きは最終手段で
  • 検量が終わったら直ちにリカバリーを開始する

水抜きについてざっくりとではありますが、一通りの説明はできたかと思います。

水抜きは、しっかりやり方を理解した上で計画的に行えば、非常に効果的な減量方法です。

しかし、短期間で体重を落とすことにはそれ相応のリスクもあるので、そこの部分をしっかりと認識した上で行うようにして下さい。

また、ここで紹介したやり方は、あくまで「僕が思う基本的なやり方」であり、絶対的なものではない、ということは念を押しておこうと思います。

この記事が階級制スポーツをやられている方々の参考になれば幸いです。

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